福島先生に「気質」について質問してみました

木村:シュタイナーの考えでは人にはもって生まれた4つの気質*1があると言われていますが、ひとつの気質に極端に偏っている場合など、何か、修正したりする必要はあるのでしょうか?また、できるのでしょうか?


先生:人は生まれる前に、どんな人生を送りたいか、そのためにどのような気質がふさわしいかを考えて生まれてくるそうです。
ですから、その気質はその人にとって必要なものなのです。けれど、気質が極端に偏ってしまうと病気になることがあります。(多血質の精神錯乱、胆汁質の暴力、憂鬱質の鬱病、粘液質の無気力)
また、気質の偏った教師に育てられた子どもは、内蔵の病気になりやすいのです。(多血質の教師のもとでは、子どもはいきいきした活発さがなくなる、胆汁質の教師のもとでは、子どもは呼吸器や循環器に害をおよぼす、憂鬱質の教師のもとでは、心臓に関する病気をもたらす、粘液質の教師のでは神経質になりやすい)というように…
ですから、子どもも大人も必要があってその気質を持って生まれたことを尊重しながらも、偏りが調和するよう努力する必要があります。
子どもには、その気質の長所を引き出すことによって、大人は自己教育によって…
気質はとても奥が深いですね!


木村:では、少し具体的におしえてください。
それぞれの気質の強い教師によって教育された場合のことが上げられていましたが、これはもっと近い、親の場合にもそのように言えるのでしょうか?
偏りを調和するとは具体的にどのようにしたらよいのでしょうか?
たとえば、我が家では夫には多血質や胆汁質もあるような気もしますが、私の憂鬱質が強く、子どもたちにも引き継いでいるような気がします。


先生:教師と親は似たような影響を子どもに与えると思います。そして、子どもの気質によって受ける影響も違ってきます。
例えば、憂鬱質の親の場合、同じ憂鬱質の子どもの子育てはあまり難しくありませんが、多血質の子どもの場合は親がちょっとしたことで文句を言ったり叱ったりしやすいので、伸び伸びと育つことが難しくなりやすいのです。
大人は、自己教育によって気質を調和させることができるのです。
私が気質について学んだエラー先生の提案です―多血質の人は、短い時間(30秒〜1分)でたくさんのものを意識する練習をする(ここに靴屋がある。隣りは花屋…というように)と、集中力がつくようになる。粘液質の人は、とことん退屈するようなことをする(5000ピースで空ばかりのパズルなど)と嫌でも他のことに興味を持つようになる。憂鬱質の人は、自分の個人的な苦しみばかりに目を向けず、苦しんでいる人に目を向け、助けるために行動する。胆汁質の人は、怒りが爆発しそうになった時は怒りをぶつけても迷惑をかけない対象を見つける(ざぶとんなど)
詳しくは、エラー先生の著書を読んでいただくといいと思います。とてもわかりやすく、すばらしい本です。「4つの気質と個性のしくみ」ヘルムート・エラー著、トランスビュー発行です。


木村:わかりました。本も読んでみたいと思います。ありがとうございました!

*1:多血質、胆汁質、粘液質、憂鬱質