最近読んだ本。『(日本人)かっこにっぽんじん』など〜


「幼少の帝国」阿部 和重 (著) 新潮社
現代日本文化に指摘される「未成熟性」の正体を探る、著者初のノンフィクション!・・・第一章、一枚の写真から、として1945年ラフな軍服姿で両手を腰に当てて胸を張るマッカーサーとモーニングを着用した正装の昭和天皇が並んでいる有名な写真。このなんともちぐはぐな印象、違和感が戦争直後の日本人に相当な衝撃をもたらした。。。。
「わたしたちの天皇はちっちゃかった!」
このイメージ上での敗北が復興の原動力・・・小さいことこそすばらしいと言える社会を築かなければこのまま永久に体の大きな欧米人たちに敗北し続けるほかない。この無意識が現代の日本文化の中に見られる「成熟拒否」のきっかけとなったのではないか?という大胆な想像を展開しています。
日本は巨大化=強大化を志向すると失敗に陥る。これは第二次世界大戦における敗北であり、原発政策でも同じこと。。。
「小さい=かわいい=正義」。日本は極小の製品を作り出すようなニッチ市場を開拓する「隠れ蓑」戦略でこそ生き残ってきた、、、などなど。
最後に、「異種交配<ハイブリッド>」に立ち返る、、、良くも悪くも外圧を利用し、異文化受容装置として縦軸(継承性)と横軸(連携性)を絶えず組み合わせながら自らの活性化をはかってきたのが、日本と言う国の歴史(自己同一性)なのでしょうから必ずしもこれは的外れな考えではないはずです−そして当の変遷(異質性の取り込み)は、言うまでもなく日本語(漢字仮名交じり文)の特質そのものでもある、、、には納得です。


「(日本人)かっこにっぽんじん」 橘 玲 (著) 幻冬舎
最初に興味深いアンケート結果。。。「世界価値調査」は世界80ヵ国以上の人々を対象に政治や宗教、仕事、教育、家族観などをしらべたもので日本人が他の国々と比べて大きく異なっている項目3つを上げていて、、、
問:あなたは進んで国のためにたたかいますか。
この質問に「はい」と答えた人の比率。一位、キプロス83.6%をはじめとしてスウェーデンフィンランド、中国、韓国、、、アメリカは9位63.2%、そして下から二番目ドイツ27.7%、最下位日本15.1%。

問:あなたは日本人(ここにそれぞれの国名が入る)であることに誇りを感じますか。
この質問に「非常に感じる」「かなり感じる」と答えた人の比率では。コロンビア98.1%、ポーランドイラクと続き、アメリカは11番目89%、日本は下から二番目57.4%。ただし最下位香港49%は中国の特別行政区なので実質日本がもっとも低い。

問:権威や権力はより尊重されるべきですか?
この質問に「よいこと」と回答した人の比率の図では一位コロンビア91.5%、グアテマラ、フランスと続き、アメリカ11位59.2%、最下位日本なんと3.2%!!
このアンケート結果では先進諸国だけ見てもフランス84.9%、イギリス76.1%と健全な社会では権威や権力は尊重されるべきだと考えていて、権威的な体制への批判が噴出する中国ですら43.4%。
日本はダントツに権威や権力が嫌いな国民らしい。(これには同意)

このような特異な価値観を持つようになったのはやはり戦争体験の影響、、、権威や権力を振りかざす政治家や軍人を信じたら広島と長崎に原爆を落とされ、日本中が焼け野原になり、民間人を含め300万人ものひとびとが犠牲になったのだからもうこりごりだと思っても不思議はない。しかし敗戦によって同じような惨状を体験したドイツでも半分(49.8%)の人が尊重すべきと答えている。日本人の“反権力(というか厭権力)”があまりにも極端である、この謎を出発点に日本人を考える。。。
そしてここでもあのマッカーサー昭和天皇の写真のことが書かれていました!
あの写真を見た瞬間にすべての日本人が、誰が日本国の統治者になったのかを理解した。。。
GHQあてに「拝啓マッカーサー元師様」と書き出された手紙が続々と送られてきてその数、なんと50万通にも達した!手紙の書き手は政治家や医師のようなエリート層から、農民・主婦などの一般大衆、さらには小学生までさまざまだったが、その内容はマッカーサーを賛美し、日常のこまごまとした不満を書き連ねたものだったとのこと。
日本人はむかしから「世間」が大嫌いだった。だからこそ「お上」に面従腹背しつつ、個人の欲望を抑圧する「権威」を激しく嫌悪した。敗戦の直後から日本をアメリカの属国にして欲しいと懇願したのは日本人の自我が分裂したからではなく、それが“得”だと思ったから。日本人は御利益のある神と自分の得になる権威しか認めない。ひとびとの価値観は支配者の交代や、いわんや教育などではなにもかわらない。。。これには唸った。


「夢いっぱい 昭和の食卓レシピ」主婦の友社(編)
菜の花村店長さんより借りた本。懐かしーって実際にはひとつ上の世代の雑誌ですが(^_^;
店長さん曰く。「自分が生まれた頃、都会ではこんな洋風な料理が作られていたなんて信じられない、この辺じゃ、みんなもんぺはいてたよ(笑)」
あと、「クリームチーズなんてなかったから粉チーズでチーズケーキを作った。でも本物を食べたことがないので良くわからなかった。。。」など^^いろんな思い出があるようです。
うちにも古〜いお菓子の本があっていつも眺めては空想していました。天火なんてなかったので作れるものは限られていて無理やりトースターで作ったりもしました。
ぼろぼろになりましたが今でも持っていますよ^^