最近読んだ本&マンガ・・・『フクシマの正義』 など〜


『頼れない国でどう生きようか』加藤 嘉一 (著), 古市 憲寿 (著) /PHP研究所

拝金主義と相互不信が当たり前の階級社会、元祖「頼れない国」の中国。止まらない少子高齢化財政赤字に苦しみ、「頼れない国」化が進行中の日本。両国での生き方について、同学年の二人が上海と東京で考え、議論し、自らの経験を語り合う。
一時間で5000字の文章を書く国際コラムニストの加藤は「執筆前にはランニングで心身を整える。コンディショニングがすべて」と語り、『絶望の国の幸福な若者たち』などの著書がある気鋭の社会学者の古市は「自分には強い武器がないからポジショニングを重視している」と打ち明ける。さらに語学習得法や情報収集、人脈の築き方、衣食住の話まで。熱血と「まったり」、北京大学東京大学、ランナーとロングスリーパー(長時間眠る人)……好対照の二人による異色対談!

『絶望の〜』の古市くんの本ということで、(重)が図書館から借りてきてくれました。
中国と日本の違いがいろいろとあり、びっくりしたのは、中国では「図書館で借りた本に線を引いてもいい」ということ。中国と日本ではプライベートとパブリックの概念がまったく逆で、公共物だから線を引いてもいいのだそうです!
また、意外だったのは、中国は言論統制が厳しいと思われていますが、言っていけないキーワードやフレーズ(天安門事件など)政治的発言以外は原則自由。その点、日本で言えないことは社会的かつ、国民性による事柄なのでわかりにくい。。。。など

1984年と1985年生まれのお二人の若さがビシビシと伝わる本でした。



新宿駅最後の小さなお店ベルク』井野朋也(ベルク店長) (著) /ブルース・インターアクションズ

ミシュランには載らない究極の大衆飲食店は、こうしてできた!!
新宿駅徒歩15秒!! 日本一の立地にあるインディーズ・カフェ「ベルク」。
「新宿」らしさを残しつつ、時代とともに変化し、サバイブしてきた店の歴史とチェーン店にはない創意工夫、ユニークな経営術が、この一冊で全てわかる。
個人店がどのように生き残るかのヒントも満載。

無名の個人店がどのようにして生き残れるのか!は我が身も同じ。。。
つまるところ、お客様になくてはならない存在になれるかどうかなのでしょうね。
法律や権利、権力の考え方にもはっとさせられました。



新解さんの謎赤瀬川原平 (著)/文藝春秋

辞書の中から立ち現われた謎の男。魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない―。「新解さん」とは、はたして何者か?三省堂新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。紙をめぐる高邁深遠かつ不要不急の考察「紙がみの消息」を併録。

NHK朝のAMラジオ「すっぴん」の金曜日のパーソナリティー高橋源一郎さんの「源ちゃんのゲンダイ国語」で紹介されていた本。
うちにも「新明解国語辞典」があったので見てみたのですが、残念ながら初版なのでこの本に書いてあるような人間臭くてなまなましい表現はありませんでした^^;。。。主に3版、4版あたりが面白いようです。



『フクシマの正義「日本の変わらなさ」との闘い』開沼 博 (著) /幻冬舎

日本はなぜこんなにも変わらないのか。我々はもうフクシマを忘れたのか。話題作『「フクシマ」論』著者による、待望の初評論集。

3・11以前に書かれた修士論文を、震災後、『「フクシマ」論~原子力ムラはなぜ生まれたのか』として刊行。昨年の毎日出版文化賞を受賞し、論壇に衝撃的なデビューを果たした開沼博氏。本書は、いま最も注目される若手社会学者による待望の初評論集である。福島からの避難、瓦礫受け入れ、農産物の風評被害など、一般市民の善意が現地の人々にとっては悪意となり、正義と正義がぶつかり合う現実。そして、過去の沖縄基地問題に象徴されるように、反原発運動もまた、新手の社会運動のネタとして知識人たちに消費されるのではないかという危惧。震災後も精力的に現地取材を続ける著者に見えてきたのは、早くも福島を忘れ、東京と地方の歪んだ関係を固持しようとする、「日本の変わらなさ」だった――。3・11を経て、変わるどころか、より深刻化した日本の病巣を浮き彫りにした、必読の論考。

原発の問題はつくづく「私」の問題だ。。。と思います。
今回の事故で露呈したいやな部分はすべて自分が持っていた見たくない、いやな部分だったのでしょう。
その醜態をまざまざと見せつけられて思わず目をそらしたり、罵倒したり。。。
そのことをこの著者も言っているような気がします。

第三部は高橋源一郎さんや荻上チキさん、大野更紗さん、古市憲寿さんなどとの対談。
「・・・希望を持たないというところから行くしかないと。つまり、何か希望を出した瞬間に、変革の可能性は高まるどころか遠ざかって、問題の根本にある色々なものが見えなくなると思うんです。自分は福島のことを思っているんだ、と知識をふりかざしながら希望を語ることで、気持ちよくなる、カタルシスを得る。でも、これが一番よくないわけです。・・・」
このことを(重)に話すと、「それはまるで魔法少女まどか☆マギカじゃないか〜!」と。。。そうなんですか?(=_=)

日本の「変わらなさ」が「変わる」日は来るのだろうか。。。


この他マンガ『主に泣いてます8』東村 アキコ や『銀の匙5』荒川 弘 なども菜の花村店長さんよりお借りして読みましたがすでに返してしまって写真なしです〜